物流的な視点での政策意識を整理してみました。
 商流上、下流と位置づけられる3K職種の物流業界に身を置き6年。昨今、議論されている「雇用」について、メディアを中心とした表層に終始する議論に違和感を抱くと同時に、疲弊する地域経済活性化、雇用確保を勘案していく上で、ロジスティクス・物流という視点に目を向けて頂ければ幸いです。

 若干、専門的な話となりますが、物流総合効率化法があるものの、各地方により、運用が異なり、必ずしも、効果的とは言えない状況が散見されます。地域経済活性化、昨今の非正規雇用の問題、大都市部における人材難などから、(様々な弊害も指摘されたものの)雇用に関する政策と一体となった形で、嘗て、(既に廃止となった)「工場三法」で一極集中是正を政策誘導したような形で、都市と地方のバランスを取る国政レベルの政策誘導があってもいいのではないかと思っています。

 また、停滞ムードがあるTPP議論について触れれば、政治対立的賛否はともかく、リアルビジネス的な視点、ロジスティクス的な視座に立てば、産業単位での議論に違和感を抱く部分があります。単純な賛否ではなく、議論のレベル感をもう一段階掘り下げた議論を切に望みます。

 国内政治課題となっている懸案となっている農業分野ですら、TPP議論の行く末に関わらず、仮に、前向きの捉えたとしても、そもそも、「輸出」に耐えられるだけの物流費をコスト吸収できるのか、「輸出」した先で、食品の宿命である鮮度等(コールドチェーン)を維持できるのかなど、実務(業務)的な課題なども多々あるように思います。

 最後に、「沖縄」の問題を議論する際、「基地問題」にだけ焦点が当たりますが、沖縄議論に実効性を持たせるためには、各種振興・補助策のみならず、真に、沖縄に根ざした産業振興が肝要なのではないかと考えます。その一助として、物流という産業振興があると思いますので、ご一考頂ければ幸いです。

 沖縄の未来は物流が描く