今週は、2年前の08年8月に書いた「日雇い派遣体験記」(全7回)をアーカイブでご紹介しています。
休憩時間に入り、まずは、休憩室にある喫煙室で一服する。手には、乾いた喉を潤すため500ミリリットルのコカコーラの缶。筆者は、あまり炭酸飲料を飲む方ではないが、一気に飲み干せるほど身体が水分を欲していたのだろう。一段落して、事業所にある食堂へと向かいカレーを注文する。空いている席に座り、早速食べてみるが、然して、贅沢している方ではない筆者にとっても、お世辞にも美味しいものでは無かった。
日雇い派遣体験記(3) −休憩時間に垣間見える真実−
休憩時間に入り、まずは、休憩室にある喫煙室で一服する。手には、乾いた喉を潤すため500ミリリットルのコカコーラの缶。筆者は、あまり炭酸飲料を飲む方ではないが、一気に飲み干せるほど身体が水分を欲していたのだろう。一段落して、事業所にある食堂へと向かいカレーを注文する。空いている席に座り、早速食べてみるが、然して、贅沢している方ではない筆者にとっても、お世辞にも美味しいものでは無かった。
食事を終え、休憩室に戻る。時計の針は、17:30を指している。後半は、前半よりも一時間長い4時間労働のため、吸えるうちにと思い、再度、喫煙室へ。喫煙室では、労働者が、顔に疲労の色をうかべながら地べたに座り込む姿が目立つ。筆者も、少しでも休息できるようにと同様に地べたに座り込み、煙草に火をつける。すると、隣で煙草を吸っている日雇い派遣労働者同士の会話が耳に入ってきた。一人は、25歳前後のフリーター風の男性、もう一人は話から学生のようである。
「○○(派遣会社)の△△支店は、この現場が多く、専用みたいになっている」
「この現場だけではなく、他の現場に行くこともある。気分的には、複数の現場に入る方が楽。」
「駐禁対策のために、トラックの助手席に乗っているだけの仕事もある」
喫煙室を出て、休憩室に座っていると、バイト雑誌を見る直用アルバイトの姿が目に入ってきた。現場社員も使用する休憩室で、堂々と、バイト雑誌を読む姿は、筆者にとっては違和感を覚えるものであった。また、顔見知りの労働者同士が、シフトごとの仕事のキツさについて情報交換している姿もある。奏功しているうちに、夜のシフトの労働者が大勢休憩室へと入ってくる。仕草を見るからに、この現場に慣れているような顔ぶれが増える。
後半の作業開始時間の18:00になり、スーツを着た社員らしき人物が現れる。その人物が現れ、現場監督者が労働者に声をかけると、一斉に、労働者全員が起立した。前半には、見られなかった光景である。夕方からの作業について現場監督から説明を受けたあと、スーツを着た社員から、幾つかの注意が行われた。以下、要点を抜粋する。
「この現場は、全国の現場で最も誤着が多い現場である」
「昨日は、105,000〜110,000個/日の荷物のうち、誤着が72件あった」
「鹿児島の荷物が青森に届くようなケースがある」
「一日、配送が遅れることで、受取人がどう感じるか考えろ」
「パート・アルバイト、派遣社員に限らず、対価を受け取っている訳だから、"プロ意識"を持って仕事にあたって欲しい」
「労災事故には、気をつけるように」
「派遣会社に来月の発注ができないので、パート・アルバイトの人は、来月のシフトを急いで出すように」
注意事項を聞きながら、スーツ姿の社員の言わんとすることは解るが、現場改善コンサルティング会社勤務経験がある筆者にとっては、前半の現場の状況(労働者の配置)などから、「誤着」などの責任を労働者に求めること自体いかがなものかと感じるとともに、具体的な改善策を示さない言動に違和感を覚えた。
と同時に、形だけ、「労災事故防止」と壁に貼られたスローガンを復唱するだけの指示からも、労働現場監督者の労働者の衛生・安全等に対する意識の低さをうかがい知ることができる。そのことは、今回の日雇い派遣の労働現場潜入の主旨からも、日雇い派遣労働者に対する労働法制上の責任を、派遣事業者(派遣元)に追わせることの法の矛盾を痛感した瞬間でもあった。派遣先企業社員がこのような意識では、派遣事業者に労働者の安全・衛生管理の対応を迫ったところで、結果は、推して知るべしである。
「○○(派遣会社)の△△支店は、この現場が多く、専用みたいになっている」
「この現場だけではなく、他の現場に行くこともある。気分的には、複数の現場に入る方が楽。」
「駐禁対策のために、トラックの助手席に乗っているだけの仕事もある」
喫煙室を出て、休憩室に座っていると、バイト雑誌を見る直用アルバイトの姿が目に入ってきた。現場社員も使用する休憩室で、堂々と、バイト雑誌を読む姿は、筆者にとっては違和感を覚えるものであった。また、顔見知りの労働者同士が、シフトごとの仕事のキツさについて情報交換している姿もある。奏功しているうちに、夜のシフトの労働者が大勢休憩室へと入ってくる。仕草を見るからに、この現場に慣れているような顔ぶれが増える。後半の作業開始時間の18:00になり、スーツを着た社員らしき人物が現れる。その人物が現れ、現場監督者が労働者に声をかけると、一斉に、労働者全員が起立した。前半には、見られなかった光景である。夕方からの作業について現場監督から説明を受けたあと、スーツを着た社員から、幾つかの注意が行われた。以下、要点を抜粋する。
「この現場は、全国の現場で最も誤着が多い現場である」
「昨日は、105,000〜110,000個/日の荷物のうち、誤着が72件あった」
「鹿児島の荷物が青森に届くようなケースがある」
「一日、配送が遅れることで、受取人がどう感じるか考えろ」
「パート・アルバイト、派遣社員に限らず、対価を受け取っている訳だから、"プロ意識"を持って仕事にあたって欲しい」
「労災事故には、気をつけるように」
「派遣会社に来月の発注ができないので、パート・アルバイトの人は、来月のシフトを急いで出すように」
注意事項を聞きながら、スーツ姿の社員の言わんとすることは解るが、現場改善コンサルティング会社勤務経験がある筆者にとっては、前半の現場の状況(労働者の配置)などから、「誤着」などの責任を労働者に求めること自体いかがなものかと感じるとともに、具体的な改善策を示さない言動に違和感を覚えた。
と同時に、形だけ、「労災事故防止」と壁に貼られたスローガンを復唱するだけの指示からも、労働現場監督者の労働者の衛生・安全等に対する意識の低さをうかがい知ることができる。そのことは、今回の日雇い派遣の労働現場潜入の主旨からも、日雇い派遣労働者に対する労働法制上の責任を、派遣事業者(派遣元)に追わせることの法の矛盾を痛感した瞬間でもあった。派遣先企業社員がこのような意識では、派遣事業者に労働者の安全・衛生管理の対応を迫ったところで、結果は、推して知るべしである。

