インターネット業界に関わり始めて丸二年が過ぎようとしています。この二年間、一部の“(ネット)マーケティングコンサルタント”“webコンサルタント”を自称する人たちと接するなかで、正直、怪訝に思う場面が頻繁にありました。

 webには怖い一面があり、言ってしまえば「書き方次第」(大本営発表)なので、これら、インターネット領域の“コンサルタント”と称する人たちの“実際の能力”などは、「表面上解り辛い」、あるいは、「検証できない」などの消費者保護の点からは忌々しき問題があります。
 と同時に、(言葉の定義上の問題ではありますが)これらの方々が言うところの、“マーケティング”と、学術上定義されているそられの言葉には、著しい乖離が見られることに気づきました。

 こと、“マーケティング”に関して、社団法人日本マーケティング協会の1990年の定義に順ずるならば、「マーケティングとは、企業および他の組織(1)がグローバルな視野(2)に立ち、顧客(3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動(4)である。」(注 (1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。(2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。(3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。(4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。)」です。

 また、日本マーケティング協会の定義と照らし合わせると、実際に、ネット領域に従事している人たちの間で使われている“マーケティング”という言葉は、数あるマーケティング手法(マーケティング手法の一覧(wiki)より)における「プロモーション手法」としてのインターネット活用という“極めて限定的な要素”を指していることが解ります。

 “マーケティング”という広義の概念をミスリードしない点を重要視すると、“(インターネットネット)マーケティングコンサルタント”“webコンサルタント”と自称する人たちは、差し詰め、“ネット活用の達人”“webに土地勘がある人”程度の意味合いで受け止める方が無難です。

 と同時に、お客様の“ビジネス理解”という点で鑑みると、こられの人たちの中で、お客様のビジネスの外部環境、業界慣習、法規制などの制約条件、あるいは、社内のオペレーション、工数管理などの点を把握できる人は皆無なのが現状なのです。

 また、彼らの手法の多くは、“個人的なキャラクター”を前面に出したセルフブランディング的意味合いが背景にあるものが多く、コンサバな業界や堅実な会社は勿論のこと、個人戦の粋を越えた規模の企業のプロモーションには馴染まないのではないかと思います。

 にも関わらず、インターネットの中には、一部、自称“マーケティングコンサルタント”と称する人たちのなかに、華々しい文言で着飾った告知ページが散見されます。それらの方々のサイトには、往々にして、過去に、別の組織に属して一部分を担当しただけの著名な会社の“成功事例”を、顧客の承認を得ることなく掲載している場合が多く、また、成功事例の仕事と因果関係の無い「お客様の声」という形態のレコメンドが掲載されているか、あるいは、中身の無い読み物(=実務書では無い書籍)を掲載することで、“信頼性”が演出されています。

 曰く、それらも“マーケティング”とのこと・・・。

 インターネットを業とする会社で、本来の“マーケティング”という意味で“マーケティング”を語ることができるのは、手前味噌ながら、弊社と、あと2〜3社あるかないかというのが実際のところです。

 ただ、ビジネス上のことを言えば、これらの言葉の定義の違いは、是非論ではなく、依頼者側の受け止め方なのではないかと考えます。

 つまり、お客様の中での“マーケティング”という文言が具体的に何を指し、また、“コンサルタント”という肩書きに何を何処まで期待するのか、この点を明確にした上で、依頼をれるか否かを判断していかないと、問題が生じることにもなりうるでしょう。事務手続き的に言えば、契約書上の「コンサルティング範囲」の定義です。

 お恥ずかしながら、私自身、インターネットに関連する仕事をしながら、ネット領域だけで仕事をしてきた人たちと自身との間に、“マーケティング”、及び、“コンサルタント”という言葉の定義の乖離があることを、この頃になって、ようやく認識しました。

 個人的には、“(ネット)マーケティングコンサルタント”“webコンサルタント”と自称する方々の論理は、消費者保護を無視した詐欺的行為ではないかと感じますし、“品格”の点では、議論にすら値しないだろうと考えています。

 インターネット領域に有象無象が跳梁跋扈する現状に鑑みれば、JARO(社団法人 日本広告審査機構)などの審査機関は、その対象範囲を拡大しインターネットにも適用すべきだと考えますし、消費者団体、並びに、捜査当局は、これらの状況にメスを入れるべき時期にきていると考えます。

 そろそろ、悪貨が良貨を駆逐するインターネット業界も、自主基準のガイドラインと健全な競争ルール(摘発ルール)を考える時期にきているのではないかと主張したいと思います。

 こういう時代だからこそ、地に足をつけてやるべきことを地道に続けていきたいと考えています。


ご参考

2007年2月24日「プロモーションの品格
2008年1月14日「“インフォプレナー(情報起業家)”という存在


追記:明日は、本文で指摘したケースの一部の人と隣り合わせの関係にある「情報商材取引の闇」について記述します。