国立がんセンター:麻酔医が相次ぎ退職 手術にも支障
(毎日新聞/2008年4月3日)
国立がんセンター:千葉でも麻酔医退職 4人が1人に
(毎日新聞/2008年4月4日)
ICU医師全員退職へ 国循センター 執刀との分業困難
(産経新聞/2007年3月1日)

 このような記事を見ていると、これまで、この国の医療の“精神的支柱”とも言うべき機関が、十分に機能しなくなってきている現状は、患者はもとより、国民にとって多大なる損失ではないかと感じます。
 日頃から、「公立医療の経営形態」「公立医療の整備手法」に着目してブログを書いておりますが、それらのことと別次元の問題として、国家として早急に手を打つべき喫緊の課題だと思います。

 あくまで感想レベルの私見ですが、自治体小病院とナショナルセンターは別物であるという定義が必要だと思います。その上で、ナショナルセンターには、診療報酬の枠を超えた研究費の投入を検討、また、軽症患者の受診を制限するような制度の創設(紹介状持
参等)などが必要だと思います。

 同時に、「研究対象」も止む無しという治験制度の導入障壁の軽減策を検討すべきであり、何よりも、規定の法律に捉われない魅力ある医師の報酬体系を整えることが重要だと考えます。

ICU医師全員退職へ 国循センター 執刀との分業困難」(産経新聞/2007年3月1日)


 国立循環器病センター(大阪府吹田市)で、外科系集中治療室(ICU)の専属医師5人全員が、3月末で同時退職することが28日、分かった。同センターは国内で実施された心臓移植の半数を手掛けるなど循環器病治療の国内最高峰で、ICUは心臓血管外科手術後の患者の術後管理・集中治療を受け持ち、診療成績を下支えしてきた。同センターはICU態勢の見直しを検討している。

 同センターによると、ICUには5人の専門医が所属。所属長の医長を含む2人のベテラン医師が辞職を表明したのをきっかけに、指導を仰げなくなる部下の3人の医師も辞職を決めたという。

 ベテラン医師2人は辞職の理由を「心身ともに疲れ切った」と説明しているという。

 同センターのICUが対象とするのは、先天性心疾患や冠動脈・弁疾患、心臓移植、大血管疾患などさまざまな心臓血管外科系の難病患者。成人だけでなく小児も対象とし、外科手術後の患者の最も危険な時期の全身管理や集中治療を24時間態勢で行ってきた。

 ICUの入院病床は20床で、年間1100症例を超える重篤な患者を受け入れ、常に患者の容体の急変に備え、緊張を強いられる環境にあった。

 同センターは、5人に残るよう慰留を続けているが、辞職の決意は固いという。

 このため4月以降は、他部署からICUの専属要員を確保するものの、ICUでの患者の超急性期管理・集中治療は、執刀した外科チームが責任を持って行う態勢にすることを検討している。

 同センター運営局は「特にベテラン2人に代わる人材はおらず、これまでのように執刀チームとICUの分業ができなくなる。しかし、手術件数を減らしたりICUでの管理が不十分になるなど患者に影響を与えるようなことはない」と話している。