大学時代の自身のゼミテーマが「物流二法の規制緩和」だった(マニアック?な)者として、年月を経ても、相変わらず、物流業界の動きをウオッチしています。専ら、最近は、物流関連の法律で「物流総合効率化法(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律)」という法律に着目しています。

 未だ、ブログで持論を展開するほど調べきれていないのですが、ザックリと疑念を抱いていることを述べたいと思います。まだ、大半が推論です。
 物流総合効率化法は、このような(←リンク先参照)ものなのですが、着目すべきは、「立地規制に関する配慮:市街化調整区域における施設整備のための開発許可についての配慮」が行なわれている点です。以前は、“特積み”だけに開発が許されていた市街化調整区域が、一般区域事業者も許可されるようになったのです。

 一見、地方の疲弊が叫ばれる時代だけに、安い市街化調整区域での開発は妥当な部分はありますが、冷静に考えると、業界、あるいは、上場・非上場に限らず、あらゆる産業は、スケールメリットを求めて統合に向かっているのが時流。

 一方で、この法律改正にともなってか(?)、全国の工業団地が余りまくっているにも関わらず、“投資マネーの金余り”も相まって、自治体首長、が金融機関やファンドとつるんで開発型の工業団地を仕込んでいるような“噂”を耳にすることがあります。実際に、ゼネコンの土木セクションなどは、この手の案件に突っ込み始めていますよね?

 そもそも論として、言ってしまえば、これまで規制で雁字搦めにしてきた国土交通省のこの法改正の“物分りの良さ”には、気味悪ささえ感じます。

 また、物流総合効率化法の一つの目的として“環境”というキーワード、具体的には、「京都議定書の発効にともなう、運輸部門における温暖化ガス(二酸化炭素)排出量の削減」という錦の御旗もあるにはあるのですが、何処かの調査で、「環境に配慮した結果、事業のプラスになった」と答えた事業者が少なかったように記憶しています。(※ソースを見つけられないので確定情報では無い。)

 ここで、別の視点で考察してみます。数年前の“街づくり三法”施行により、ある一面において、大型店舗が規制を受けている状況があります。流通分野においても、他業種と同様に、スケールメリットを希求するベクトルが働いているさなかだけに、“下衆の勘繰り”で物流総合効率化法を紐解くと、この法改正で建設された物流センターや倉庫を、将来的に、大規模店として転用するのではないかとの疑念が生じます。

 昨今のSCM的見地による倉庫やセンターの利用状況、あるいは、荷主によって環境変化著しい状況等を鑑みると、港湾施設などを除いては、何十年も特定の施設を使い続けることのほうが違和感があり、“転用”の憶測に一定の現実感を与えています。

 さりながら、仮に、そうだとするならば、一つだけ疑問が生じます。

 「鼻ッから、大規模店を建設してしまえばいいのではないか?」という疑問です。

 ただ、この疑問点について言えば、“地方の疲弊”の錦の御旗で、政府の経済政策すら、いとも簡単に覆ってしまう昨今。ましてや、与党が参議院選挙でボロ負けした後だけに、地方の商店街を敵に廻すような大規模店の議論は、ポリティカルに不可能。

 “風が吹けば桶屋が…”という訳ではないのでしょうが、一時的に、当初は土木市場が潤い、物流業者に対しては(役所は)“やっている風”な顔ができ、市街化調整区域への進出企業が将来的に(10〜20年後)ヘタったら、大規模店として使いまわす。“施設再利用”と“雇用”という新しい錦の御旗を立てて…。

 また、その場合には、借地権として用地を提供している地権者も「NO」とは言わないという格好の状況が出来上がっているだろう。

 どうも、物流総合効率化法に、そんな思惑が見え隠れしているような気がしてならない。

 正直、現段階では、この“推察”を裏付ける“事実”が無いのが現状ですが、物流総合効率化法の担当課(国土交通省総合政策局貨物施設流通課)に以下の二つの質問をぶつけると、本音が垣間見えてくるのではないでしょうか。

Q.物流総合効率化法は、将来的な大規模店の緩和を見越したものですか?

  ⇒(おそらく)明確に、NOと答えます。

Q.物流総合効率化法による、市街化調整区域の開発許可配慮は、将来的にも、大規模店の緩和と絶対にリンクしていないと言い切れますか?

 ⇒ 下向き加減で「そんなことは…」と尻すぼみに答えるのでは…。

 「物流総合効率化法で、国土交通省と経済産業省がつるんでいるのでは?」との噂を耳にすることもあるので、友人・知人の国会議員の方でこのテーマに関心がある方は、お気軽にご一報下さい。詳しくご説明させて頂きます。

 最後に、もしこの仮説が成り立つとするならば、些か、「物流総合効率化法」議論の本質を逸脱している感は否めず、また、ビジネスならともかく、法制度議論が、ゴールを迂回したプロセスで求めるというのはいかがなものかと感じます。

 今後、引き続き、注目していきます。