数回に渡って書いた横浜市庁舎でのPFIの可能性議論とは裏腹に、新潟県燕市では、PFIを見送り公共直営で新庁舎建設を行なう基本構想案が取りまとめられました(詳細記事文末参照)。この件については、建設通信新聞で見ただけなので、詳細を把握していませんが、記事中において、PFI断念理由を「建設後の管理運営を考えた場合、庁舎のみではメリットが発揮されにくいことや、事務手続きが複雑で事業完了までに時間を要する」とその理由が説明されています。率直な感想としては、「?」と感じます。
あくまで一般論(=燕市のことを言っている訳ではない)ですが、「手続きが複雑〜」などというエクスキューズは、行政の怠慢か勉強不足、より端的に言えば、役所内に(努力不足も含めて)理解できる人がいないのではないかと勘繰ってしまいます。また、「庁舎のみでメリットが発揮されにくい〜」などという逃げ口上は、PFI=「箱モノ」という先入観を持っているか、あるいは、“運用型要素”を盛り込む気が全く無いことを示しているのではないかと疑念を抱かざるを得ない。
個人的には、内閣府のガイドラインを熟読するか、あるいは、専門家に相談すれば、何らかの解決策はあるのではないかと感じます。
また、下衆の勘繰りのようなレベルの話をすれば、往々にして、大都市を除いた地方の市庁舎というのは、その街で一番高いランドマークのような場合が多く、地元業者からすると何十年に一回巡ってくるかこないかの大商いのチャンス。それをみすみす大手ゼネコンやデベロッパーが主導権を取るPFI事業に持っていくことは、地元政治家が「産業育成」などという詭弁を吐いて許さないのでは…。深読みだったらいいんですが。
そんなことを思ったPFI記事でした。
◆PFI見送り公共直営/燕市が新庁舎建設基本構想案
(2007.08.16 建設通信新聞より引用)
新潟県燕市は、新庁舎建設基本構想案をまとめ、新庁舎建設等検討特別委員会に提示した。PFIの導入も検討したが、国の補助事業以外では合併特例債との併用が認められていないこともあり、従来型の公共直営方式の採用を基本にする。ただし、PFIに属する手法の中に、公共が資金調達し、設計・建設・管理運営に民間の経営能力や技術的能力を活用するDBO方式などのさまざまな形態もあるため、事業手法については、今後の基本計画の策定段階で再度検討を加える。
燕市は昨年3月に旧吉田と旧分水の2町と「新設(対等)合併」した。3市町による合併協議会で検討を進めた結果、分庁舎方式による行政運営や市民サービスへの影響を考慮し、新市移行後に新庁舎を建設することを決めていた。
05年12月の合併協議会で承認された事業案では、新市の中央に当たる旧吉田町西太田地内の広域農道8号線沿いの農地約3haを候補地に選定していた。燕警察署が新庁舎の隣接地に移転建設する構想があり、県警から用地取得に係る協力依頼があったことから、基本構想案では警察署庁舎分の用地と合わせ、4万1283m2の用地規模を設定した。
警察署用地の想定面積は約7000m2。地元との調整や事務効率などを考慮し、新庁舎の用地と一括で造成する方針だ。県は造成後に建設用地を一括取得した土地開発公社から用地を買い取る考えだ。
合併協議会の事業案では、地下1階地上3階建て延べ1万m2の施設を計画していたが、施設規模については、完成年度となる2012年度の職員数を踏まえて具体化する。OA化への対応やユニバーサルデザインの導入などもあり、総務省の起債許可方針における庁舎標準面積の積算方法では面積の狭隘が考えられるが、空間の効率的運用を図って最小限の面積にする方針だ。
新市建設計画による事業計画では、庁舎建設に伴う事業費として40億9150万円を想定している。内訳は用地費4億5000万円、地質調査費1000万円、造成費2億4000万円、設計費1億6150万円、本体工事費29億円、外構工事費3億3000万円となっているが、事業費に関しても今後の検討過程で無駄を省いたスリムな庁舎を計画し、華美な要素を極力排除して抑制する。
具体的には施設の長寿命化、維持管理の効率性、スペースの汎用性、将来の施設改修・設備更新への対応を容易にするなど、ライフサイクルコストを考慮し、長期的に経済効率の高い庁舎を整備する。
防災拠点にふさわしい安全性や耐久性の機能のほか、個人情報の保護などの観点から、高いセキュリティーを持つ外部からの侵入に備えた施設にする。住民自治の拠点となる親しまれる庁舎にするため、市民が市政に関する情報を得られ、議会・行政も政策立案のために情報を共有できる総合情報機能を強化するとともに、市民が気軽に立ち寄り交流を深めることが可能な機能を導入し、市民に開かれた庁舎にする。
太陽光や自然通風などを取り入れ、省資源・省エネルギー対策に配慮するほか、太陽光発電システムや風力発電などの自然エネルギーの導入も検討し、環境負荷の少ない庁舎にする。また、周辺の田園環境への影響を考慮し、景観形成に配慮した緑化を進め、うるおいのある環境を整備する。
PFIについては、建設後の管理運営を考えた場合、庁舎のみではメリットが発揮されにくいことや、事務手続きが複雑で事業完了までに時間を要することも導入を見送った理由として挙げている。 基本計画は07年度中に補正対応で策定費を予算計上し、コンサルタントに委託する。学識経験者らで構成する外部検討組織を立ち上げ、専門家の意見を反映させるなどして、08年度に策定する。その後のスケジュールは基本計画の中で具体化することになっているが、設計業務はプロポーザル方式などの採用も視野に入れ、09年度から着手することを計画している。本体着工は10年度。施工者の選定に当たっても公開性・透明性の高い方式を採用する考えだ。
個人的には、内閣府のガイドラインを熟読するか、あるいは、専門家に相談すれば、何らかの解決策はあるのではないかと感じます。
また、下衆の勘繰りのようなレベルの話をすれば、往々にして、大都市を除いた地方の市庁舎というのは、その街で一番高いランドマークのような場合が多く、地元業者からすると何十年に一回巡ってくるかこないかの大商いのチャンス。それをみすみす大手ゼネコンやデベロッパーが主導権を取るPFI事業に持っていくことは、地元政治家が「産業育成」などという詭弁を吐いて許さないのでは…。深読みだったらいいんですが。
そんなことを思ったPFI記事でした。
◆PFI見送り公共直営/燕市が新庁舎建設基本構想案
(2007.08.16 建設通信新聞より引用)
新潟県燕市は、新庁舎建設基本構想案をまとめ、新庁舎建設等検討特別委員会に提示した。PFIの導入も検討したが、国の補助事業以外では合併特例債との併用が認められていないこともあり、従来型の公共直営方式の採用を基本にする。ただし、PFIに属する手法の中に、公共が資金調達し、設計・建設・管理運営に民間の経営能力や技術的能力を活用するDBO方式などのさまざまな形態もあるため、事業手法については、今後の基本計画の策定段階で再度検討を加える。
燕市は昨年3月に旧吉田と旧分水の2町と「新設(対等)合併」した。3市町による合併協議会で検討を進めた結果、分庁舎方式による行政運営や市民サービスへの影響を考慮し、新市移行後に新庁舎を建設することを決めていた。
05年12月の合併協議会で承認された事業案では、新市の中央に当たる旧吉田町西太田地内の広域農道8号線沿いの農地約3haを候補地に選定していた。燕警察署が新庁舎の隣接地に移転建設する構想があり、県警から用地取得に係る協力依頼があったことから、基本構想案では警察署庁舎分の用地と合わせ、4万1283m2の用地規模を設定した。
警察署用地の想定面積は約7000m2。地元との調整や事務効率などを考慮し、新庁舎の用地と一括で造成する方針だ。県は造成後に建設用地を一括取得した土地開発公社から用地を買い取る考えだ。
合併協議会の事業案では、地下1階地上3階建て延べ1万m2の施設を計画していたが、施設規模については、完成年度となる2012年度の職員数を踏まえて具体化する。OA化への対応やユニバーサルデザインの導入などもあり、総務省の起債許可方針における庁舎標準面積の積算方法では面積の狭隘が考えられるが、空間の効率的運用を図って最小限の面積にする方針だ。
新市建設計画による事業計画では、庁舎建設に伴う事業費として40億9150万円を想定している。内訳は用地費4億5000万円、地質調査費1000万円、造成費2億4000万円、設計費1億6150万円、本体工事費29億円、外構工事費3億3000万円となっているが、事業費に関しても今後の検討過程で無駄を省いたスリムな庁舎を計画し、華美な要素を極力排除して抑制する。
具体的には施設の長寿命化、維持管理の効率性、スペースの汎用性、将来の施設改修・設備更新への対応を容易にするなど、ライフサイクルコストを考慮し、長期的に経済効率の高い庁舎を整備する。
防災拠点にふさわしい安全性や耐久性の機能のほか、個人情報の保護などの観点から、高いセキュリティーを持つ外部からの侵入に備えた施設にする。住民自治の拠点となる親しまれる庁舎にするため、市民が市政に関する情報を得られ、議会・行政も政策立案のために情報を共有できる総合情報機能を強化するとともに、市民が気軽に立ち寄り交流を深めることが可能な機能を導入し、市民に開かれた庁舎にする。
太陽光や自然通風などを取り入れ、省資源・省エネルギー対策に配慮するほか、太陽光発電システムや風力発電などの自然エネルギーの導入も検討し、環境負荷の少ない庁舎にする。また、周辺の田園環境への影響を考慮し、景観形成に配慮した緑化を進め、うるおいのある環境を整備する。
PFIについては、建設後の管理運営を考えた場合、庁舎のみではメリットが発揮されにくいことや、事務手続きが複雑で事業完了までに時間を要することも導入を見送った理由として挙げている。 基本計画は07年度中に補正対応で策定費を予算計上し、コンサルタントに委託する。学識経験者らで構成する外部検討組織を立ち上げ、専門家の意見を反映させるなどして、08年度に策定する。その後のスケジュールは基本計画の中で具体化することになっているが、設計業務はプロポーザル方式などの採用も視野に入れ、09年度から着手することを計画している。本体着工は10年度。施工者の選定に当たっても公開性・透明性の高い方式を採用する考えだ。

