私の経歴柄、とりわけ、政治関係のキャリアのせいでしょうか、“だから人脈がある”との受け止め方をされていることがあります。無論、秘書時代にお会いした多くの方々から、以前と変わらず、ご指導頂いておりますが、正直、“秘書をしていたから人脈がある”という自覚はありません。
 政治関係の知人にしても、あるいは、霞ヶ関・行政関係者にしても、確かに、一部は、秘書時代のお付き合いがあるものの、寧ろ、立候補後の関係の場合が大半です。

 また、民間企業関係者にしても、秘書時代の担当企業との変わらぬご縁もありますが、ビジネスの関係にあるのは、概ね、秘書時代の知り合いではない場合が多いのが現状です。ほとんどの場合は、政治キャリアをご存知では無いのではないでしょうか?

 最近、BS番組の仕事ラジオ番組の仕事をしているため、週に1〜2人の上場企業の経営者の方にコンスタントにご挨拶させて頂く機会があります。同時に、ベンチャー企業の仕事でも、ベンチャーらしからぬ経営者の方とお会いする機会も結構あります。

 単に、名刺交換や飲食ベースで言えば、新聞やテレビに取り上げられている多くの方とお会いしたことがありますが、個人的には、“人脈とは、会いたい時に会える関係”だと思っていますので、これを人脈と言うかどうかは微妙なところです。

 と言いつつも、メルマガ(という名のご挨拶?)を出した時などには、「えっー!」と驚く著名な解説者の方や、「おぅー!」と感じる超大企業の経営トップの方から、「頑張って下さい!」や「HP見てます」などと、激励のメールを頂戴したりします。

 世間一般に、秘書経験がある人は、口を揃えて「人脈がある」「対人関係が得意」などと言われますが、秘書の肩書きが無くなっても有用な関係は皆無なのではないかと懐疑的に見ています。同様に、対人関係が得意だったのではなく、単に、狐の後ろに控える“虎”に気を遣っていただけのこと。

 手前味噌ではありますが、秘書時代から、所詮、秘書など、“虎の威を借る狐”としか思っていなかったので、自分が狐であることを熟知した上で、虎の有無に関係なく、人としてお付き合いして頂ける関係に拘り続けて生きてきました。

 お陰様で、秘書を辞めてから、関係が途絶えた方は、ごく少数に過ぎず、今でも、変わらぬお付き合いをさせて頂いております。

 秘書経験があろうが無かろうが、人脈などと言うものは、意識的に作るものでもなく、人との出会い、一期一会を大切にするかどうかにかかっていると思います。

 今の私が、こうしていられるのも、大半の場合が、お会いした次の日にお礼のメールを送ったり、手紙をしたためたり、電話を入れたり、そんな当たり前の礼儀作法を10年間続けてきた、その延長線上にあると実感します。

 不適切な例えを言えば、“ホステス営業”に他ならないかもしれませんが、手法はどうあれ“気は心”。人と人として誠実に向き合うことしか、人付き合いは始まらないと思います。月並みな意見ですが、私は、人脈という言い方はあまり好きではなく、人の出会いやご縁という感覚で受け止めています。

 以上、特段、主張の無い、また〜りとしたblogでした。