momiji 自民党の圧勝を受けて、是非論はともかく、多くの政治プロセスの変化が起きた。その最たるものが官邸主導ではないだろうか。メディアにおいては、総選挙における候補者選定、あるいは、党公認非公認に耳目が集まっている。
 しかし、官邸主導という意思決定メカニズムの変化は、とりわけ外交面において影響が出てくるのではないだろうか。従来は、良かれ悪しかれ、官邸と党が一体となる形で国会・政策運営を執り行ってきた。その党内の捩れ、あるいは、権力の分散、責任の不明確化が、対外的には不透明さとなり不評となっていた。その一方で、官邸と党という二つのカウンターパートは、時としてバッファーとして機能した。
 今後は、否応無く、(海外の)日本との交渉の窓口は官邸一本。ありとあらゆる要望が官邸に突きつけられる。国内的な選挙戦略においては、単純さ解り易さを前面に押し出すという戦略を取ることができるが、複雑に利害や民族が対立する外交交渉においては、隠し玉(二の手・三の手)がないというデメリットもある。官邸に情報を集中し、管理統制ができるというメリットもあるが、失敗したら後がないという危険性もある。
 とりわけ外交面においては、慎重且つしたたかな外交戦略が急務である。

人気blogランキングへ